おこめブログ

シャドバのこととか書きます

ALTローテーション環境におけるミッドレンジロイヤルについて

こんにちは。お久しぶりです。こめじです。

OTKエルフのプレイング編についてはかなりの期間が空いてしまったこともあり、構築編の加筆修正も含めてゆっくりやっていこうと思います。

 

今期のナーフはかなり早い段階で行われましたが、環境の変化としてはおとなしいもので、削除されたカードが1枚あるもののデッキタイプの消失は起こりませんでした*1

依然マナリアウィッチ、テンポドラゴン、ミッドレンジロイヤルは勢力を落としませんが、バフにより環境入りした翠嵐エルフと共に、その他のクラスも相対的に環境に引き上げられました

珍しく存在しないクラスの無い環境とも言える状況ですが、だからといってそれが良環境と言えるかどうかはなんとも言えない感じがします。

観戦勢としては楽しみではありますが、競技プレイヤーは大変だなあと思う次第です。

閑話休題

それでは今回はALTローテーションフォーマットの環境デッキの一つである、ミッドレンジロイヤルについて解説していきます。

 

デッキコンセプト

ロイヤルのカードプールの大きな特徴として、豊富なエンハンス能力により、上から引いたカードだけで有効な動きを選択しやすいというリソース管理能力の高さがあります。

当然それに付随して大きな事故が起こりづらく、ドローソースという実質的なテンポロスをデッキに組み込むこと無く、強いカードのみで構成することができます。いわゆるグッドスタッフというやつですね。

そしてこの強みをとてつもないレベルで増強するカードが今期追加されています。

 

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はい。

誰もが羨むレベルのサーチ効果を持ちながら、何故か進化時効果まで兼ね備えるロイヤルレジェンドの筆頭株です。
ある程度カードゲームに造詣が深いプレイヤーはテキストを見た瞬間「余りにもズルでは?」と思うようなサーチ効果を持つフォロワーです。

ただでさえ高い安定性をこのカード一枚でダントツクラスに引き上げています

スタッツも3/2/3と標準クラスで、実質的なテンポロスはほぼ皆無と言っていいでしょう。 

基本的にミッドレンジロイヤルというアーキタイプに関しては、このカードの生み出す安定性を大きな強みとするデッキであるため、(特に先行時の)事故が起こりやすいような構築はご法度と言えます。

 

とりあえず筆者が1月下旬にグラマス到達したときに使用していたリストでも見てみましょう。

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 は?1コスは?

 

当時は翠嵐の斧使いのバフによってランクマッチにエルフが大量に居たので、1コストフォロワーによる速攻戦術を薄くして、守護であるホーリーナイトベアと、オクトリスの増量を図りました。

1コストフォロワーについてですが、最近の環境だとアグロプランを取らざるを得ないマッチアップが多くなってきた印象なので、恐らく採用したほうが強いと思います。

細かく見ていきましょう。

 

◎レイピアマスター

1/1/1であり2/2/2であり4/3/3必殺であり6/4/4守護必殺であり8/5/5…ryという現在のロイヤルの象徴のようなフォロワーです。

決してカードパワーの高いカードではありませんが、あらゆる局面で役割を持てる上に元のコストが1であるためレイサムとのシナジーもあるという完璧なカードです。

100人居たら100人3積みするカードでしょう。

 

◎白と黒の決闘

4コストとしては高いバリューを誇るフォロワーを1コスト払って手札に加える、ロイヤルとしても非常に付き合いの長いカードです。

4/3/3突進で攻撃時に1/1を並べるか、4/3/4で盤面全てに火力耐性を付与します。

8PP以上あればタダで2枚とも手に入るため、温存しておくことで大きなリソース補強が見込めます。

どちらのカードも横展開にちなんだ効果を持っており、特に白の女王・イメラは進化権の温存にも一役買います

レイサムの効果起動後はイメラの攻撃時効果でナイトが同時に2体出るため、押し込みの打点を引き上げられるなど、役割が多彩です。

ちなみにどちらも指揮官であるため、アサシンで潜伏させることもできます。覚えておきましょう。

 

◎オースレスナイト

2コストで1/1を二体並べます。ベーシックカードの1枚であり、わかりやすい横展開カードです

環境に1/2や1/3が多いため、2ターン目に出すフォロワーとしては役割が薄いですが、特に中盤において他のカードとくっつけて横に盤面を広げる際は非常に頼りになるカードです。

 

ホーリーナイトベア

2/2/2守護の兵士です。エンハンス5で4/4になります。

以前は必ずと言って良いほど入っていたカードですが、最近はあまり見かけなくなりましたね。個人的に推しているカードです。

まず前述の通り環境に2/1/2スタッツや、上から踏まれたくない2/2などが多く、オースレスナイトが綺麗に取られやすくなっています。

そこでオースレスを踏みつけに出てきた2/2/2や2/1/2に対して、蓋をする形でこいつを出してやれば、相手は除去を構えていなければそれだけで大きなディスアドバンテージを被ることになります。

通常先行3ターン目の強い動きというとアイテールか簒奪の蛇剣、ワルツに限定されるので、そこを増強するとともに2の動きも保証する、という採用理由になります。

上から引いてきた白と黒の決闘をくっつけながらオースレスに蓋をしたりできるのが好みです。

 

◎空の指揮官・セリア

2/2/2でありながら、5コストで守護絡みの3面展開か盤面を回収して疾走するかという相反した効果を選択できる素敵なカードです。某所でグッドデザイン賞を受賞していました。

希望の戦術家・セリアから出るシールドナイトとヘヴィーナイトは共に1コストであるため、レイサムの効果が起動しているとかなりのバリューを叩き出します。

絶望の使者・セリアについてはこのデッキのメインのエンドプランになり、レイサムの効果が起動していれば手札からだけでも10点近くの打点を叩き出すこともあります

 

◎月の刃・リオード

2/1/3潜伏であり非常に強力な進化時効果を持つ指揮官フォロワーです。

フェイス進化が許される状況では純粋に自身をアサシンで潜伏させるだけでもほぼ確実に6点持っていき、中盤のライフカットの要となるカードです。

特に隠伏天誅の0コスト1点は器用で、簒奪の使徒や必殺の魔弾、財宝の小剣などの軽量打点と組み合わせてバリューを出しやすくなっています。顔にも撃てるためアサシンを生成しそびれることもありません。

打点確保とリソース補充、更に多面処理も担える非常に優秀なカードです

手札に加わるアサシンもかなり悪さをするタイプのカードで、潜伏というキーワード効果のタチの悪さが伺えます。

 

◎簒奪の蛇剣

2コスト3点の標準的な軽量除去です。1コストの財宝トークンをランダムに1枚生成します。

財宝カードは保持しておくことで簒奪の使徒のバリューを引き上げる事ができる他、運次第で強烈なくっつき方をして特大バリューを出すことがあり、撃つたびにワクワクドキドキします(台パン)。

 

◎魔導狙撃士・ワルツ

3/2/2というボード上では若干のテンポロスを生みながら、1コスト3点の除去カードを手札に加える事ができるいぶし銀のフォロワーです。ごくごく稀に浄化の聖弾が役に立つマッチアップもあります。

こいつで加えた必殺の魔弾をいかに効果的に使えるかどうかはこのデッキのパフォーマンスに大きく関わる要素でしょう。

 

◎簒奪の絶傑・オクトリス

3/2/3の進化時効果持ちに、いろいろ効果がくっついているロイヤルのレジェンドらしい奴です。某所でバッドデザイン賞をry

進化時効果はリソース補充で、前述の通り細かい動きの補佐に最適なスペルを手札に2枚加えます。

ファンファーレ効果が特に悪質で、環境にこれの撃ち先が多ければ多いほどこのカードの採用価値が高まります。現在で言えばエルフの女王・リザやオシリスオリハルコンゴーレムなどが代表的な撃ち先でしょう。

エンハンス8では巨大化しながら無償進化することができ、レイサムの効果と合わせて多面処理に貢献します。

簒奪の使徒とのシナジーもあり、多様な役割を持つことができる点が評価ポイントです。

 

◎白翼の戦神・アイテール

先述の通り、今期のロイヤルの強みの根幹を担うカードです。

3で先陣の騎兵、4で簒奪の使徒、5、6ではゼタ、7以降はレイサムといつ出しても優秀なカードを手札に加えられ、数ターン先の動きまで担保できます。

これだけの効果を有していながら何故か進化時に体力バフまで行い、稀にこの効果で勝負が決まることもあります。オマケのようなものですが覚えておくと役に立ちます。

欠点としては狙いのカードをこのカードに頼った際に、動きが固定されてしまうために相手の展開に合わせられない事がある点です。危険な動きが予想できる際は熟考しましょう。

 

◎先陣の騎兵

強力な横展開とライフゲインを同時に行う進化時効果持ちのシステムフォロワーです。

後攻4ターン目の基本ムーブであり、3ターン目にアイテールを出す事で確定で持ってくることが出来ます。

また、レイサムの効果が起動した後に出すことで、ナイトが出る度に1点回復することができ、相手のリーサル遅延に役立つ事があることも覚えておきましょう。

中盤にガメておいたアサシンで潜伏させることで、ダメージレースを有利に進める選択肢もあります。

 

◎簒奪の使徒

5/4/5という標準的な中型スタッツを持ちながら、財宝トークンをプレイすることで盤面に打点を飛ばすシステムフォロワーです。ファンファーレでも1点飛ぶため、かなりの器用さを誇ります。

進化権を温存しながら相手の盤面を処理する動きに一役買う他、自身を進化させて6/7で盤面に置くことで無理な処理を強要して動きを制限するプレイングもままあります。

潜伏フォロワーにも打点が飛ぶため、飢餓の絶傑・ギルネリーゼが明確な負け筋になりそうなマッチアップでは財宝トークンを2枚以上保持しておくと処理できる事があります。

 

◎ドラゴンナイツ

5コストの個性的なカード群を状況に応じてチョイスでき、エンハンス8では何と2枚同時に出しシナジーも見込めるという嬉しいカードです。

5コストで使用する際にメインになるのがヴェインです。主に進化で相手のタフネス4以下の進化フォロワーを処理しながら、縦の圧をかけるのに役立ちます。

タフネス6〜7であればなかなか処理に苦労するため、相手のリソースを削る動きとして成立します。

ランスロットアグロプランの押し込みにフェイス進化を切る事が多いでしょうか。

ジークフリートは守護必殺に加えてタフネス4ということで、3点除去をかわしながら進化フォロワーの攻撃を受け止めるため、横展開の蓋をするのに適しています。

パーシヴァルをエンハンス以外で出すメリットは以前はほとんどありませんでしたが、7PPでアサシンとくっつけて潜伏させる事でゲームを終わらせに行く選択肢が存在します。頭の片隅に入れておきましょう。

エンハンスでは基本的にヴェイン+ランスロットで4点疾走としてか、ジークフリート+パーシヴァルで処理に回るかの2択というデザインですが、あまり固定観念を持たず状況次第で他の組み合わせの方が有効でないかも考えるべきです。

ちなみにエンハンスで出る2体は選択画面の左側が先に出る仕様です。

そのため盤面が1面しか開いていないときにあと3点がこのカード以外で出せない!という時は、ランスロットパーシヴァルと選択する事でパーシヴァルを盤面の外に追いやってランスロットを走らせるというライフハックがあります。

 

◎真紅の穿光・ゼタ

6/6/5突進として縦の処理を行いながら、4/4/2疾走を手札に加える攻撃的なフォロワーです。

手札に加える効果は攻撃時であるため、攻撃対象が盤面にいなければ発動しない点に注意です。

ベアトリクスは、絶望セリアと組み合わせて9PPで7点(レイサム下であれば9点)を出せたり、10PP以降なら守護を無視して4点を通したりと強力なフィニッシャーになります

 

◎高潔なる騎士・レイサム

8/8/7という巨大なスタッツとともに、フォロワーが攻撃するたびにナイトが出るようになり、更にそれを含めた1コストフォロワーが全て疾走を持つようになるというトンデモ効果をリーダーに付与する、ミッドレンジロイヤルの終盤戦の要となるフォロワーです。

アクセラレートの効果によりオースレスナイトと同等の役割も行使でき、デッキの安定感を高めてくれます。

リーダー付与効果を発動する事ができれば、盤面の処理能力とライフを削る能力が飛躍的に上がり、強い盤面を作りながらリーサルへの道を縮められるようになります。

しかし、このカード自身は突進も何も持っておらず、8という大きなコストを払わなければプレイできません

そのため、このカードをいかに安着させるかという部分が、このデッキのレイサムプランでのプレイングの要になります。

具体的な方法としてまずひとつは、進化権を8PPまで温存する事です。

レイサム自身が進化して攻撃しながら相手のフォロワーを処理し、その攻撃時に出るナイトでギリギリ2面処理までなら可能なため、そのような形で8ターン目を迎えられるようにプレイします。

他には、7ターン目に盤面を可能な限り横に広げるという方法です。

ナイト以外の攻撃可能なフォロワーが盤面に残っていれば、そこからもナイトが出せるため、よほどの盤面でなければ処理が追いつきます。

同じ理屈でリオードを配置したりアサシンで指揮官フォロワーを潜伏させる手段も有効です。

もうひとつは、黄金の靴を保持しておき、9PPで突進させるという方法です。

これであれば進化権が残っていなくても着地しやすくなります。

レイサム自体は言うまでもなく8ターン目に着地した方が強いですが、ゆっくりゲームができるマッチアップでは、この方法で進化権に余裕を持って戦えるため、黄金の靴が手札に入っている場合は視野に入れておきましょう。

 

 

私のリストには採用していませんが、採用候補に上がるカードもいくつか紹介していきます。

 

 

◎クイックブレーダー

1コスト1/1の疾走フォロワーです。

純粋な1打点であり、盤面に残るエンジェルスナイプということでバリューを出しやすいカードです。

中盤に絶望セリアと絡める際の打点補助になるのも利点のひとつです。

1コストのフォロワーを採用する利点として、アグロプランへの移行がしやすくなるという点が挙げられます。

特に現在のTier1であるマナリアウィッチやサタンドラゴンなどは、序盤の動きがかなり鈍いため、そこを突く形でのアグロプランは有効打となり得ます。

 

 

◎ゴブリン

1/1/2という破格のスタッツを持つシャドウバース最強のカードです。

クロック要員としてはクイックブレーダーよりも当然優秀であり、盤面に残り続けることで高いクロックダメージや有利トレードを見込めます。

レイサム下ではクイックブレーダーの上位互換となるため、序盤〜中盤での盤面への打点を重視しないのであれば基本的にこちらを採用する利点が大きいと言えます。

 

◎簒奪の従者

フォロワーと交戦するたびに+1/+1しながら財宝トークンを手札に加える2/1/1です。

ボード上においては2/2/2の上位互換という性質を持ちます。

2コストフォロワー枠として採用候補に上がりますが、マジックミサイルという天敵が環境に多く存在する点をどう見るかが分かれ目です。

また、交戦しない限りクロック打点が1なのでアグロ戦術への寄与度も低くなります。

アタック1のフォロワーの攻撃では永遠に処理できないという特性を持つのが強力で、そもそもフォロワーで当たりたくない効果を持つため、相手に除去札を吐かせる事ができます

序盤から中盤にかけて腐りがちな黄金の靴を最も有効活用できる低コストフォロワーであることも利点です。

 

◎嵐の槍使い

3/3/2突進であり、エンハンス7で2点AoEも飛ばせるフォロワーです。

ワンアクションで多面処理に寄与する点と、2点であることから相手のケアの範囲からずれている点などで盛大に刺さる場面がままあります。

また、先後問わず3ターン目の動きとしても綺麗なので、マナカーブの整理として投入するのも悪くないカードです。 

 

◎炎獅子の大将軍

ナーフによりほとんど削除されたようなものという印象ですが、直接召喚の効果は依然強力です

発動できれば勝利へぐっと近づくことでしょう。

しかし、これをデッキに投入する事で起きる弊害があり、ひとつはとにかく手札に引いてしまった際に弱く、プレイの選択肢が減ってしまう事が挙げられます。

更に7PP以降のアイテールのサーチ先がブレてしまい、レイサムを引き込む事自体が難しくなる点もあり、この二点はロイヤルの利点であるデッキの安定性を大きく損なう弊害となっています。

ロイヤルというクラスを選択する思想と相反し、デッキタイプが変わってしまうため、個人的には炎獅子の大将軍の採用は無しかなと思っています。

 

 

・ゲームプラン

このデッキには大きく分けて2種類の勝ち筋があります。

ひとつはオーソドックスな中速ビートダウンとして、リソースと盤面を適度に維持しながらクロックを刻み、レイサムを着地させて相手の高コストの動きを捌き、疾走で詰め切る、というのが王道のゲームプランとなります。

もうひとつは序盤から小型フォロワーを全力展開して相手のライフを削り、リオードなどで更に詰め、相手の準備が整う前に絶望セリアやランスロットで詰め切るアグロプランです。

どちらのプランを取るのが効果的かは相手のデッキタイプや手札の状況によって変わりますし、途中でプラン変更を行うこともあります。

サタンドラゴンやマナリアウィッチ、蝙蝠ヴァンパイアなど実質的な時間制限のあるデッキタイプが相手の場合は、アグロ気味に攻める事が相手のデッキの回転を抑止する事にも繋がるため、リソースを大事にしすぎるよりも、展開力を重視した択を取っていくべきです。

逆にミッドレンジロイヤル、アグロエルフ、テンポドラゴンなどのビートダウン系デッキに対しては、相手の展開に対して充分な処理札を保持して、レイサム着地から反撃に移るプランを重視します。

とは言うもののあまり型に嵌めた考え方をせず、状況次第で大局観をもってプレイする事が最も重要です。

 

・各対面の重要カード、プレイング

現在のローテーション環境は圧倒的Tire1と呼べるような強デッキは存在せず、どのクラスも一定数いるような雑多な環境と言えます。

そのため、あらゆるデッキタイプに対する想定をする必要があり、練度が勝率に直結します

筆者も偉そうな事を言えるほどの練度があるわけではありませんが、それぞれのクラスにおける代表的なデッキタイプとの戦い方の意識を記していこうと思います。

 

◆エルフ

主なデッキ:アグロエルフ、バフコンボエルフ

翠嵐の斧使いのバフによりあらゆるアーキタイプのパワーが上がり、コンボ軸のビートダウンとして環境に増えてきたクラスです。

アグロ軸の高速ビートダウンと、コルワとホワイトヴァナラ、森の戦士などのコンボを軸としたコンボデッキの2種類が存在します。

エルフの女王・リザのラストワード能力により高確率で翠嵐の斧使いを引き込む事をデッキの強みとしているため、オクトリスで奪う事で相手の勝ち筋とリソースを削ぎ落とせます

デッキタイプによっては森の戦士のAOEで盤面を壊滅させに来るので、マグナスなどでケアできる際はしていきましょう。

レーネファイターやメーテラ、森の戦士など盤面保持に関してケアの範囲を超えている動きが多いため、無闇に盤面作りにリソースを吐きすぎるのは避けておくのが無難です。

先陣の騎兵でのライフゲインと横展開が有効に働きやすいので、先行後攻問わず積極的にキープして良いでしょう。

 

◆ロイヤル

主なデッキ:ミッドレンジロイヤル

ミラーマッチに関しては強制的にゲームを終わらせる要素がない事から、レイサムの安着が明確な勝ち筋となります。

つまるところ先行有利なのですが、後攻側は先陣の騎兵を皮切りに盤面を渡さない事で、相手にレイサムを出させないプレイングが要求されます。

或いは出させた上で多くのリソースを相手に吐かせる事でリソース勝ちを狙う事が考えられますが、どちらも的確なケアと正確なプレイングによる細かなアドバンテージの積み重ねが最も重要になります。

白と黒の決闘は開いているかどうか、手札にある財宝トークンは何か、必殺の魔弾はあるかなども踏まえ、常に最悪を想定して立ち回り、時には割り切ってプレイしましょう。

 

◆ウィッチ

主なデッキ:マナリアウィッチ、秘術バーンウィッチ

おなじみマナリアウィッチと、始祖マナリアとオリハルコンゴーレムを起点とした秘術バーンウィッチの2種類が存在します。

それぞれ対処法が異なりますが、どちらのデッキタイプも事実上の時間制限があるデッキと言えます。

マナリアウィッチについては明確に不利がついており、わかりやすくアンの大魔法でのリーサルが時間切れになるので、基本的にはアグロプランを通す事を主軸に考えます。

中盤から小型の守護が大量に並びやすいため、軽量除去は体力を守ることよりも守護を突破するために保持するなどの思考の切り替えも時には必要です。

秘術バーンウィッチにおいては、始祖マナリアの着地を牽制する事が特に有効です。

相手の5PPに合わせてヴェインや使徒の進化置き、あるいは横展開によってプレッシャーをかけ、無理やり置いて来るようならマグナスでゲームを決めに行きます。

ちなみにオリハルコンゴーレムのラストワードはオクトリスで奪えるので、体力7の進化置きはオクトリスがある限り正着と言えます。覚えておきましょう。

 

◆ネクロマンサー

主なデッキ:ミッドレンジネクロ

ケルベロスという最強クラスの横展開フォロワーを軸に、終盤の決定力も兼ね備えたミッドレンジ帯のビートダウンです。

レディグレイやギルネリーゼによる回復があるため、無理なアグロプランは敗着の原因になります。着実に盤面を整え、綺麗にレイサムを着地させる事を主軸にゲームを作りましょう。

オクトリスの存在により相手はオシリスやニコラ、エンハンスのボーンバッファローなどを出しづらいため、カードプールから相手の選択肢を削る事が可能で、ただでさえ厳しい手札にさらに負担をかけています。

グレモリーで付与したワンドローなども奪っていく事で、より相手の選択肢を削れるので、オクトリスは積極的にキープしましょう。

ケルベロスはとにかく重いですが、リオードや使徒などでの多面処理を軸に丁寧にトレードすれば、さほど脅威ではありません。

また、財宝トークンを溜め込んでおく事で、相手のギルネリーゼを潜伏中に処理する事ができるのも覚えておきましょう。

 

◆ドラゴン

主なデッキ:サタンドラゴン、テンポドラゴン

素早いマナランプから早期にサタンを着地させ、コキュートスカードの特大バリューで勝利を狙うサタンドラゴンと、侮蔑の炎爪を始めとしたパワーカード群でテンポを取っていき、アジ・ダハーカなどの大型疾走を叩きつけて勝利するテンポドラゴンの2種類が存在します。

サタンドラゴンに対しては序盤のマナランプから生まれるテンポロスを突く形でライフを詰め、アグロプランで押し切る方が有効に見えますが、実はテンポドラゴンだったなどの際に無理な横展開を竜の翼や侮蔑の嘲笑、ドラゴニュートの威圧などで咎められてしまうリスクがあります。

逆にテンポドラゴンに見えるからと言ってカードを温存しすぎた結果、なぜか普通にサタンが着地してゲームを破壊されるといったことも考えられます。

そのため、BO3などでデッキタイプが割れているのでなければ、リソース保持と詰めのバランスを取りながらプレイしていく事が重要です。

サタンを出されたとしても、レイサムさえ着地できればアスタロトベヒーモス以外のムーブに関してはロイヤルのカード群であればある程度の対応は可能なので、ライフが詰められているなら諦めずにプレイしてみると、相手の引き次第で勝てることもあります。

 

◆ビショップ

主なデッキ:チェキババビショップ、聖獅子ビショップ

カウントダウンアミュレットから出るフォロワーと聖騎士・ヘクターの圧によって盤面を制圧し、終盤にはチェキババを叩きつけて圧殺するチェキババビショップと、聖獅子の結晶のカウントを稼いでいき、4/4疾走を大量に走らせる事で勝利する聖獅子ビショップの2種類が存在します。

生半可な展開は聖騎士・ヘクターにより進化権の有無に関わらず無に帰すので、逆にヘクターへの返しを意識するか、ヘクターの処理能力を超えた盤面をなんとか形成するかを考えましょう。

レ・フィーエや白竜の神殿によるライフゲインも馬鹿にできないので、安易なアグロプランは身を滅ぼします。横の処理をヘクターとテミスの粛清にかなり依存している部分があるので、リソース配分を考えながら展開していきましょう。

聖獅子ビショップに関しては、相手視点から見てとにかく横並べがキツいため、ガンガン横に並べて圧をかけてやりましょう。それだけで結晶カウントを進めること自体を大きく阻害できます(安息の狂信者で詰まない程度に)。

こちらにもやはりヘクターは投入されており、安易に盤面の獅子を残すと思わぬ痛手を受けかねません。

神殿が1枚であれば結晶だけで12点出せるのは10PPからなので、それまでにはこちらもレイサム絡みで王手をかけていけるようにゲームを作りましょう。

 

◆ヴァンパイア

主なデッキ:蝙蝠ヴァンパイア

OOT期には一斉を風靡した蝙蝠ヴァンパイアですが、純心の歌い手のローテ落ちにより、安定性を失ってしまいました。

それでもギミック自体は依然強力であり、まだまだ現役であると言える強さを持ちます。

ターン制限がある他、ブン回ると手がつけられないタイプのデッキですが、自ら体力を削っていく性質があり、体力を回復する手段をフラウロスと姦淫の翼の2種類に大きく頼っているため、オクトリスを構えておく事で甚大な被害を与えることが望めます。

こちらから横展開を押し付けて邪眼の悪魔に進化を切らせる事で、結果的に自傷回数を増やす事を阻害できるので、適度な横展開を意識しましょう(やりすぎてアドバンテージを取られすぎないように)。

ヴァーナレクの追加効果が起動する段階になってしまうと、ケアにも限界がある感じになってくるので、ある程度は割り切って詰めに行くことを視野に入れましょう。

相手の手札と状況、こちらの札によっては蝙蝠が引けていないという割り切りも早い段階ですべきです。

 

◆ネメシス

主なデッキタイプ:アーティファクトネメシス、リーシェナ人形ネメシス

デッキに埋めたアーティファクトをあの手この手で引き込み、高バリューな動きを押し付けた挙げ句、デウスエクスマキナの着地から加速装置でゲームを破壊するアーティファクトネメシスと、破壊の絶傑・リーシェナから生成できる白のアーティファクト、黒のアーティファクトのコストを操り人形で下げ、プレイすることで勝利することを目指す人形ネメシスの二種類が存在します。

アーティファクトネメシスに関しては、こちらがいくら平均値が高いとは言え常識的な範疇の動きしかできない以上、まともに付き合っていてはいつか敗北します。

こちらができる事として最大限目指すべきところは、デウスエクスマキナの安着を阻止する」ことです。

デウスエクスマキナを置いたらこちらが勝つぞ、という状況を作り出すことで実質的な詰み状態にできれば勝利は目前です。

序盤から盤面を横に横に広げていくことで細かなクロックダメージを稼ぐと共に相手の準備を阻害し、早い段階で疾走でライフを詰め切るプランを取ります。

もしくは、そうして稼いだ時間でこちらのレイサムをなんとか安着させ、相手の大量のアーティファクトの展開をこちらからも現実的に処理しつつライフを徐々に詰めていくことも視野に入ります。

特に後攻時はデウスエクスマキナ安着の阻止というのは無理があることが多く、リオードにガンガン進化を切れてライフを一気に持っていけるような状態でなければ、早い段階でレイサムの着地を視野に入れたプレイに切り替える必要があります。

人形ネメシスに関してはリーシェナが安着してしまった場合こちらも実質的な時間制限が提示されるので、基本に則ってできるだけ処理しづらい盤面を作りながら早い段階での決着を狙いに行くべきです。

白のアーティファクトの2点回復も計算に入れて詰めていかないとならないため、時間をかければかけるほど不利になります。

 

 

・まとめ

今環境は過去を見ても特に珍しい雑多な環境で、非常に多くのデッキタイプがひしめき合っている事と、アームデッキと呼ばれるタイプのデッキが多い事もあり、上振れ下振れに起因するストレスもそれなりに大きく感じる環境とも言えます。

その中でミッドレンジロイヤルのような、「正しい選択肢さえ常に取り続けられるのであれば、その安定感ゆえ高勝率を維持できる」といった性質のデッキは、特にランクマッチなどのフォーマットでは魅力であると感じます。

当然プレイスキルが伴わなければデッキのポテンシャルを引き出すことができず、勝率も維持できないという事になってしまいますが、裏を返せば今期のミッドレンジロイヤルである程度勝ち越せるのであれば、ある程度の腕前があるという証左にもなるでしょう。

因みに筆者のミッドレンジロイヤルの勝率に関してですが、ランクマッチやグランプリでは6~7割程度で勝ち越せていますが、レートで使用してみたところ4割強という結果に…。

 

つまりはそういうことです。

それでは。

*1:筆者は炎獅子の大将軍にガン寄せしたロイヤルはデッキとは認めていませんでした

OTKエルフというデッキタイプについて【リノ算編】

こんにちは!こめじです。

前回の記事ではOTKエルフの構築、構成カードについて詳しく解説しましたが、ここからは実践的な内容を解説していこうと思います。

今回は、OTKエルフのメインの勝ち筋である、リノコンについて詳しくお話します。

アンリミでエルフを使いたいけどリノコンに苦手意識がある…という方はぜひ読んでみていただきたい内容となっています!(何故かクソ長い)

 

 

 

リノ算の重要性について

OTKエルフで勝つためには、手札からリノコンで出せる打点をすばやく計算、把握する能力(リノ算)が非常に重要ですが、その理由は単純に出せる打点を間違えないようにする事だけではありません。

手札から出せる打点をすばやく把握できるということは、その分それ以外のプレイングの思考に時間を割けるということで、OTKエルフのプレイングの基礎力とも言えます。

また、実際にコンボを撃つ場面でも、ターン開始から早い段階で打点の把握とプレイ手順の把握がしっかりできていれば、慌てず正確に操作することでき、時間切れや操作ミスの可能性を減らしてプレイできます

 

リノコンの仕組み

まずは、リノセウスというカードの効果から、リノコンの打点が伸びる仕組みを紐解いていきます。そんなもん理解できとるわボケという方は読み飛ばしていただいて構いません。

 

とりあえず、リノセウスのテキストを今一度見てみましょう。

 

2/1/1 (3/3)

疾走
ファンファーレ ターン終了まで、「このターン中に(このカードを含めず)カードをプレイした枚数」と同じだけ+1/+0する。

 

つまるところ、リノセウスを含めたプレイ回数、即ちエルフ使用中のプレイ画面の左下の数字ぶんの攻撃力で疾走できるというわけですね。

十分なプレイ回数を稼いだ上で、これを同一ターン内で複数回プレイする事で、莫大なダメージを一度に与えることを実現しているわけです。

 

決まりごと

さて、そんなリノコンにおいて、打点を増やすために覚えておくべき決まりごとがいくつかあります。

ひとつずつ解説していきましょう。

 

リノセウスをプレイするのはできるだけ後ろに寄せる

リノセウスがプレイ回数ぶんの攻撃力を持つという事は、当然ながらリノセウスをプレイする順番は可能な限り後ろのほうが、出せる打点が大きくなります。

 

リノセウスをプレイする回数を増やす

使えるPPにもよりますが、基本的にリノセウスをプレイする回数が多い方が、打点が大きくなります。

厳密には「プレイ回数ごとの打点の伸び」が大きくなり、リノセウスを2回プレイするコンボであれば、1PP増える毎に2打点、3回プレイするコンボは3打点ずつ打点が伸びていきます。

プレイ回数を増やす方法としては2通りあり、

リノセウス自体を複数枚手札から出す

または

出したリノセウスをバウンスで手札に戻し、再び出す

です。

前述の決まりごとの観点から、前者の方が打点が伸びる性質があります。

 

できるだけ小さいコストのカードでプレイ回数を稼ぐ

これも当たり前ですが、リノセウスをプレイする前のプレイ回数稼ぎには、可能な限り小さいコストのカードを使用する事が求められます。

基本的には1コスト、0コストのカードがあればその枚数分PPが増えている事とほぼ同義になります。

 

盤面を空ける

リノセウスはフォロワーであるため、盤面が埋まっていると出せません。

特にバウンス無しでリノセウスを並べる場合は、リノセウスの枚数ぶんの空きスペースが必要になります。

即ち、上記のプレイ回数稼ぎは、盤面を埋めない手段のほうが優れていると言えます。

 

打点の求め方

さて、ここまで解説すると、リノコンがふたつのプロセスに分かれている事がおわかりでしょうか。

 

1.プレイ回数を稼ぐプロセスと、

2.リノセウスを走らせるプロセスです。

 

そしてこの打点は、

1.でのプレイ回数P×リノセウスをプレイする回数R+2.の基本打点C

の式で求められます。

 

例えば、

フェアリー×3→リノ(4点)→導き→リノ(6点)であれば、

P(3)×R(2)+C(1+3)=10といった具合ですね。

実戦ではこんな計算の仕方は実はしないのですが、リノコンを解析するという焦点ではこの考え方を用います。

 

言い換えると、リノセウスからのコンボの形ごとに基本打点が決まっていて、それまでのプレイ回数×リノセウスのプレイ回数を足すと打点が求められるわけですね。

 

基本的にリノコンは、2.の段階で必要なPPから逆算して、1.で使用できるPPを求めて、何点出せるのかを計算することになります。

2.はリノ導きリノリノとか、リノリノリノとかそういう形の事ですね。
これを本記事ではリノコンの基本形と呼びます。

そして、例えば同じ6PPでもリノリノリノの1+2+3=6点よりも、11リノリノの3+4=7点のほうが打点が出る、といったように、使えるPP毎に最も打点の出る基本形が異なります。

つまり、基本形の主要な形と必要なPP、基本打点を暗記しておく事で、素早く計算ができるということになります。

文章だけ読むとちょっと分かりづらいかと思いますが、ある程度OTKエルフを扱ったことのある人はしっかり考えて下さればなんとなくピンとくるのではないかと思います。

 

リノコンの基本形

それではここからは、主要な基本形をひとつずつ解説していきます。

上記の決まりごとを踏まえると、ある程度形が絞れるので、まずはそれら全てを把握しましょう。

この項では、バウンスは基本的に自然の導き(対空射撃)とし、妖精のいたずら、エンシェントエルフを用いる場合はコスト、盤面をそれぞれ足して考えます。

 

〜リノ

基本打点:1 必要PP:2

要求パーツ:リノセウスのみ

使用盤面:1

コンボと呼べる形かどうかはさておき、一応これも先ほどの式に当てはめられます。

シンプルにプレイ回数ぶんの打点になります。

 

〜リノ導きリノ

基本打点:4(1+3) PP:5

パーツ:リノセウス×1、バウンス×1

盤面:1

最もポピュラーなリノコンの形です。エルフを普段使用しないプレイヤーでも、リノコンと言われるとこの形が頭に浮かぶのではないでしょうか。

これとリノリノのコンボは1PP増える毎に打点が2ずつ上昇します。

リノセウスとバウンス一枚ずつのみで打て、盤面も1つしか使わないので条件も緩く、最もバランスの良いコンボだと言えます。

反面打点の伸びが緩く、この形で20点に近い打点を出す事は非常に稀です。

主に8点~14点あたりまでの打点を出す際にメインで使用する形になるでしょう。

 

 

~リノリノ

基本打点:3(1+2) PP:4

パーツ:リノセウス×2

盤面:2

リノセウスを続けて2枚並べる形で、リノ導きリノと比較すると基本打点が1低い代わりに使用PPが1低いので、同じPPで撃った場合こちらのほうが1打点高くなります

7PP(事前3プレイ)までは基本的にこの形が最も打点が伸びやすく、序盤のビートが通って削れた相手を仕留める際によくお世話になる形です。

打点効率が良い形ですが、盤面を2つ使う関係で、スペルが無いとプレイ回数を稼ぎづらいという注意点があります

フェアリーウィスプにバウンスを撃つとプレイ回数を余分に稼げるので、それを利用して盤面を空けつつ打点を大幅に上げる手法が強力で、この形でEP込みで21点*1を出すこともあります。

 

~リノ導きリノリノ

基本打点:8(1+3+4) PP:7

パーツ:リノセウス×2、バウンス×1

盤面:2

ここからはリノセウスを3回プレイする形になります。1PP毎に打点が3ずつ増えていきます。

3回プレイの大型コンボの中では最も条件が緩く、事前3プレイから同PPでの打点効率がリノリノを上回ります

当然のことながら7PP以上でないと撃てない形ですが、7PPの時点では前述の通り0コストのカードが3枚以上無いとリノリノを超えません。しかし事前のプレイ回数が少なくて済むため、11点や14点も意外と出番があります

事前4プレイの時点で打点が20に達しますが、盤面を2つ使うので盤面を使わないプレイ手段が1枚以上必要です。

 

~リノ導きリノ導きリノ

基本打点:9(1+3+5) PP:8

パーツ:リノセウス×1、バウンス×2

盤面:1

こちらの形はバウンスを2回も撃つため8PPも使用し、打点効率があまり良くないのですが、リノセウスが1枚しか無いのにバウンスがダブついているという状況で使うことになる大型コンボです。

基本的にリノ導きリノリノの下位互換なのですが、いくつか利点があります。

ひとつは盤面を1つしか使わない点で、0コストのカードが2枚あれば盤面を空ける手段がなくても10PPで21点が出せます。

また事前3プレイの打点が18であるため、0コストのカードが1枚とEPが残っていれば20点に届きます

まともな打点で撃てるのが遅いコンボなので、相手の強力な動きに注意しながら時間を稼ぎましょう。

 

~リノリノリノ

基本打点:6(1+2+3) PP:6

パーツ:リノセウス×3

盤面:3

リノセウスが3枚手札にあるときのみ使える究極のリノコンです。

すべてのリノコンの中で最も打点効率の良い形ですが、盤面を3つも使うため打点を伸ばすには様々な条件が必要です。しかし、概ねフェアリーウィスプで満たせてしまうので実用性の高いコンボです。

事前4プレイで18点に届き、唯一0コストのカードを使わずにEPのみで20点が出せるコンボでもあります。

単純に打点が伸びやすいので、フェアリーウィスプやバウンスが十分にありリノセウスが3枚揃っている場合はこの形で詰めきれる事が多いです。

逆にそういったパーツが少ない場合は、形を崩して2ターンに分けて投げるほうが早いことが多いです。

 

~リノ導きリノリノリノ

基本打点:13(1+3+4+5) PP:9

パーツ:リノセウス×3、バウンス×1

盤面:3

特殊なことをせずに撃てる中では最大の基本打点を誇る形です。

リノセウスを4回プレイするため、1PP毎に打点が4ずつ上昇します。

といっても9PP使用するということはそのまま撃って13点、事前1プレイで17点、事前2プレイで21点の3通りしかなく、条件の厳しさも相まってあまり出番は多くありません、

形としてはリノリノリノの延長なので、こういう出し方があるとだけ覚えておけば構いません。

 

 

 

他にも古き森の白狼で0コストにした根源への回帰を使ったリノリノ根源リノリノなどの基地外コンボもありますが、デッキタイプが異なるため今回は省きます。

基本的には上記の形をすべて覚えておけば、リノセウスの出し順で迷うことは少なくなるでしょう

 

打点表

 さて、ここで非常に便利な打点表を紹介しましょう。

 

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表の見方

この表の数字はすべて、

 

・「各PPにおいて0コストカードが一枚も無い場合の各基本形の打点」です。

 

プレイ回数稼ぎを1コストのカードとした場合、それぞれのPPで出る打点が基本形毎に並んでいます。

2コスト以上のカードをコンボに使用する場合、余分に使用したコストぶんだけ左にずれた打点になります。

 

・0コストカードが1枚手札に加わる毎に、PPが1増えると換算してください。

 

つまり、0コストカードが3枚手札にある場合は、10の行を見れば、各基本形の打点がわかるということです。

そして、

 

・その0コストカードがフェアリーウィスプであり、基本形以外に撃てるバウンスが余分にある場合、更に1PPぶん増えます

 

11の行から右の打点を出すためには10PPに加えて最低1枚以上の0コストカードが必要になります。

 

・赤い数字は1枚以上盤面を使わないプレイ手段が必要になる打点です。

 

赤い数字のひとつ左の打点が盤面を5つ使って出せる打点と覚えておきましょう。

 

太字の数字は同じPPで出せる最大打点の数字を示していますが、実際はフェアリーウィスプやバウンスが絡むためあまり参考になりません。その基本形が最もバリューを出しやすいPPとでも認識しておいてください。

 

表からわかること

さて、この表をよ~く眺めていると、色々な事が見えてきます。

リノコンの隠れた特徴とでも言いますか、使っている人しかおおよそ認識していないであろう性質をリストアップしていきましょう。

 

・意外と20点出すのは大変

こうして並べてみると、EPを使わずに20点以上を出すコンボというのは条件の厳しいものが多いです。

最も条件が緩いであろう、

4プレイ→リノ導きリノリノの5+7+8=20点でも、

リノセウス2枚に0コストフォロワー1枚と、スペル1枚が必須条件になります。

フェアリーウィスプがあればそれがスペル扱いになるので、その点でこのコンボが最も条件が緩いと言えるでしょう。

つまり、20点を一気に削る必要があるようなマッチアップでは、これらのカードをことさら大事にしなければならないということです。

 

・18点はわりと出る

実は、EP込みで20点になる18点を出すとなると、

バウンス1枚とリノセウス3枚があれば0コストカードが無くても可能な、

4プレイ→リノリノリノの5+6+7=18点と、

リノセウス1枚とバウンス2枚、0コスト1枚で他に特別な条件が無い、

3プレイ→リノ導きリノ導きリノの4+6+8=18点の2種類があり、

いずれも20点以上のコンボと比較すると条件が緩いです。

また、非常に条件を満たしやすい、

3プレイ→リノ導きリノリノの4+6+7=17点については、

3プレイのうち1つにエンジェルスナイプが入っていると18点になりEP使用で20点になるという点でも、やはり18点というラインは外せません。

つまりEPを大事に保持したり、回復手段のない相手にはどこかで2点だけでも削っておくことで、リーサルが飛躍的に取りやすくなる、ということです。覚えておきましょう。

 

・14点はめっちゃ出る

更に下がって出しやすい打点の1ラインとして、14点があります。

特に、

2プレイ→リノ導きリノリノの3+5+6=14点は、

リノ2枚とバウンス1枚のみの条件で盤面を4つしか使わず、プレイ回数稼ぎも2回でいいという非常に便利なコンボで、個人的に最も条件に対して打点の大きいコンボだと思っています。

また、14点に付随して15点もそれなりに出しやすく、序盤のビートなどで5~6点を削っておくと、中盤で削り切るのが非常に容易になったりします。

 

・ウィスプとバウンスがあるならリノ導きリノリノよりもリノリノの方が出るPP帯がある

フェアリーウィスプにバウンスを撃つことで、手札の0コストカードの枚数が1枚増えるのと同義になるのですが、

例えばリノセウスが2枚フェアリーウィスプと導きがそれぞれ1枚ずつある状態で7PPと仮定すると、

0リノ導きリノリノの11点よりも、

0導き011リノリノの13点の方が打点が大きくなります

というのも、「フェアリーウィスプをバウンスで戻す」というプレイ自体に1PP使う関係で、7PPではリノ導きリノリノ以外のプレイは0コストのカードでしか行えないため、ウィスプを使い回す手法が取れないのです。

つまり、7PP時においてウィスプとバウンスが1枚ずつ、リノセウスが2枚ある状況下では、ウィスプを戻してプレイ回数を稼ぎ、リノリノで締めたほうが打点が上になると覚えておきましょう。

ついでに同条件で8PPでは、

0導き0111リノリノで7+8=15点

01リノ導きリノリノで3+5+6=14点となり、

やはりリノリノが上回りますが、バウンスがもう1枚ある場合は、

0導き0リノ導きリノリノで4+6+7=17点となり、リノ導きリノリノが上回ります

ややこしいですが慣れてきたら覚えておきましょう。

ちなみにこれより多く0コストフォロワーがあったり、9PP以上になったりすると、リノ導きリノリノの打点が20点を超えるため、守護フォロワーが絡んだりしない場合は考慮の必要がなくなります。

 

分割リーサルのススメ

リノコンの強みは大型バーストだけでは留まりません。

ここまでで解説したリノコンの仕組みから考えると、0コストカードが大量にあるならば比例関数的に打点が伸びるため、早い段階で一度のリノコンで相手のライフを一気に削り取ることができます。

ところが、リノセウスやバウンスは十分手札にあるのに、0コストカードがあまり手に入れられていない場合は、一気に20点を削り切るには10PP付近まで待つ必要が出てきてしまいます。

アンリミテッド環境のデッキは強力なものが多く、OTKエルフの貧弱なコントロール性能では、コンボパーツを抱えたまま10PPまで持ちこたえるのは難しいという場面は非常に多いです。

そこで視野に入れたいのが、分割リーサルというテクニックです。

どういうものかというと、

例えばリノセウスが3枚、導きとフェアリーサークルとエンジェルスナイプが1枚ずつ手札にあり、PPは6EPは残り2で、相手のライフは20という状況を想定します。

さて、この手札で相手のライフを1ターンで削り切るためには、10PPまで待ってから、

1111リノリノリノ進化で5+6+7+2=20点とするか、

途中で0コストのカードが手に入るのを祈るしかありません。

ですがよく考えてみると、

6PPでフェアサリノ導きリノ進化で2+4+2=8

7PPでエンスナフェアフェアリノリノ進化で1+4+5+2=12点

合計20点を2ターンかけることで、相手の動きを考慮しなければ7ターン目に削り切ることが可能です。

これは極端な例ですし、もちろん回復や守護のケアは対戦相手に応じて必要になりますが、こういった場面は大なり小なり結構な頻度で訪れます

「事前に削っておく」というプレイでリーサルを大幅に早める事ができるというのは常に意識しておきましょう。

 

実際にプレイするときの数え方

さて、実戦でリノコンをプレイするときに、実際に何点出るのかを検算するにあたって、上のほうに書いてあった意味不明な公式にいちいち当てはめていては時間がいくらあっても足りませんし、守護フォロワーの処理などが絡むと基本形通りにいかないことも多くあります。

では、どういった数え方で確かめるのが、ミスなく素早く確認できるのかどうかを紹介していきます。

 

1.プレイするカードをプレイする順番にクリックする

ただクリックするだけでなく、口に出しながらプレイ回数を数えます

このとき盤面が足りているかどうかや、カード使用の条件が満たされているかどうか(特に対空射撃など)も一緒に確認します。

本当にクリックすると誤操作で勝手に出ていってしまう事があるので*2クリックするフリに留めるのがおすすめです。

そうして唱えていって、リノセウスをプレイするタイミングで唱えた数字がリノセウスの打点なので、それらをすべて足せば打点が求められます

 

2.PPが足りているかどうかチェックする

本当にPPが足りているかどうかは、基本形の使用PPを覚えていれば確認できます

リノセウスを出す直前のプレイ回数のカウントが、

現在PP+0コストカード-基本形の使用PPのプレイ回数の値以下になっていればOKです。

面倒なら、クリックしている間に脳内で使用PPをカウントしても良いです。地味な並列処理ですが、慣れていないと混乱して間違えやすいので注意しましょう。

 

3.実際にプレイする

間違いがなければ、その通りに素早くプレイしましょう。

先行入力を駆使してできるだけロス無く入力できるとカッコいいです。

 

1.~2.のプロセスは、素早く行えば10秒程度で済む上、確実性が高く複雑なコンボにも対応しているので、ぜひ習得してみてください。

慣れてくると基本形そのままのコンボは確認しなくてもプレイできるようになるのですが、形が崩れたときの確認が素早くできるに越したことはありません

 

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。これを読んだあなたは今日からリノコンマスター!

まさかコンボの解説に8000文字も打つ事になるとは想定外でした…。

コンボパーツの詳細解説については前回の記事をご参照ください。

今回解説できなかった、守護を抜きながらのコンボについては次回のプレイングの項で詳しく解説しようと思います。

それでは楽しいシャドバライフを!

 

Twitter:@komeji_esief

*1:ウィスプウィスプ導き導きウィスプウィスプ11リノリノ進化

*2:筆者は経験あり

OTKエルフというデッキタイプについて【構築編】

こんにちは、備忘録として愛用していたGamebandがサービス終了してしまったためブログを開設致しましたこめじです。

シャドバ界隈のブログブームで、トッププレイヤーの思考が沢山読めるようになり大変嬉しく思っている次第です。

私自身は特に実績なども無い身分ではありますが、上級者のプレイヤーはわかりきっているような事を含めてくどくど書いている方はあまりいないようなので、プレイ期間だけはムダに長い老害として、主に初心者〜中級者のプレイヤー向けに書けることを書いて行ければと思います。

 

2019/2/13追記:ALT環境に合わせて大幅な加筆修正を行いました。

 

 

 

OTKエルフとは

さて、今回はOTKエルフというデッキタイプについて詳しく解説していこうと思います。

私はこのデッキタイプとは長い付き合いで、シャドバ自体をほとんどプレイしていなかったToG後期からWLD後期以外の期間は、殆どOTKエルフに準ずるデッキをランクマッチで使用してきました。

そのため、このデッキに関してだけ言えば有識者と遜色ない理解度を持っていると自負しています。

そうでなければ記事にも説得力が出ないですし、OTKエルフを使ってみたい、最近使い始めたけど理解を深めたいという方は是非読んでくだされば幸いです。(ただしクソ長いです。)

 

今回は構築編ということで、OTKエルフというデッキの思想から採用カードについて、脳みそが空っぽになるまで書いていこうと思います。

 

まず、OTKエルフと呼ばれるデッキタイプは、OneTurnKill*1エルフの略で、いずれもリノセウスを複数回プレイすることによるワンショットキル(以下リノコン)をメインの勝ち筋として据えたコンボデッキの事を指します。

当然リノセウスが使用できないローテーション環境には存在せず、現在ではアンリミテッド環境でのみ見られるデッキタイプとなります。

2コスト以下のフォロワーをリノセウスのみ、あるいは極少数のフォロワーに絞ることによって、エルフの女王・リザの効果を利用して高確率でリノセウスを手札に引き込み、エルフプリンセスメイジや歴戦の傭兵・フィーナ、導きの妖精姫・アリアなどの効果で生成した0コストカードなどを絡めてプレイ回数を稼ぎ、爆発的なバーストダメージで一気に相手のライフを0にして勝利します。

20点以上のバーストダメージを現実的に出せるため、キルターンが遅いデッキタイプを軒並み封殺します。

反面、エルフ自体の高スタッツ耐性の低さや、2コスト以下の優秀なフォロワー(メイ、レーネ、リリィなど)を採用できないことで序盤〜中盤の受けの弱さがより顕著になり、ミッドレンジ帯のビートダウンや、手札から打点がバンバン出るアグロデッキには押し切られる場面が多いです。

また、守護を立てることで明確にリーサルを阻害できるため、単純に相手のデッキに守護が多いというだけでも苦戦を強いられます。

特に前述の通りスタッツの高い守護フォロワーについてはとりわけ厳しく、ゼウスやヘヴンリーナイト、フロントガードジェネラル、沈黙の信者などには注意が必要です。

 

 

確定枠

 まずは確定枠のカードについて一枚ずつ解説します。

ここで言う確定枠とは、「どのような構成であっても殆ど最大枚数投入されるカード」ということです。

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まずはこの7種、19枚のカードがコアとなります。

 

・リノセウス

説明不要のフィニッシャーです。

OTKエルフは勝ち筋をこのカードに大きく絞っている関係上、リーサル以外で投げる場合と、ハンドを溢れさせる場合は特によく考える必要があります。

 

・ミニゴブリンメイジ

3コスト2/2という最低限のスタッツを持ちながら、リノセウスを手札に引き込む役割を担うフォロワーです。

デッキの2コストフォロワーをリノセウスのみに絞ることで、プレイするだけで確実にリノセウスが手札に加わるようになります。

ただの3/2/2をプレイする隙を作るのが厳しい環境になってきてはいますが、盤面不利が致命的にならないのであれば、確実にリーサルへ近づけるため、積極的にプレイしたいカードです。

 

・エルフの女王・リザ

OOTのアディショナルで追加された、ファンファーレで「コストが最小のエルフフォロワーを手札に加える」 という効果を持つ、従来のミニゴブリンメイジの枠に取って代わる形で採用されるようになったフォロワーです。

2コスト以下のエルフフォロワーをリノセウスのみに絞り、ファンファーレ効果で確定サーチを行います。

更にラストワードで「コスト最大のエルフフォロワーを手札に加える」効果まで持っており、この効果のおかげで構築の幅が大きく広がりました

リノセウスを引ききってから出してもフォロワーを引っ張ってくるため、リソース勝負になった際にも心強いカードです。

ミニゴブリンメイジと比較すると、ボードでの役割が若干弱くなる点と、手札が溢れやすくなるためプレイが難しくなる点が難点ですが、純粋なパワーだけで言えば圧倒的な利点を持ちます。

 

・歴戦の傭兵・フィーナ

進化時5/6であり、0コストのミニゴブリンメイジという強烈なコンボパーツを生成するキーカードです。

こいつに進化を切るだけで手札の打点が爆発的に伸び、相手は常に高いライフや守護を維持しなくてはならなくなります。

OTKエルフにおいては非常に強力なカードですが、5〜6PPで切りたいカードであるものの、主に対ビートダウンにおいてテンポ的に出しづらい側面もあります。

大胆かつ慎重に運用したいカードですね。

 

・導きの妖精姫・アリア

フェアリーウィスプという最強のコンボパーツを手札に加えながら、最低限のスタッツを持つ4コスフォロワーです。

殆どテンポの損失無くウィスプを2枚も加えられるのは余りにも強く、アンリミテッドでは1枚制限の憂き目に遭いました。

ウィスプについて詳しくは後述します。

雑に強い反面手札が溢れやすい性質も持つため、考えなしに進化を切って手札を溢れさせるのは避けましょう。

 

・妖精花

2コストのドローソースであるとともに、消滅、変身以外で場から離れる際にフェアリーウィスプを手札に加える効果を持つアミュレットです。

テンポロスが著しい反面、得られるハンドアドバンテージが凄まじいカードであり、このカードの追加によってOTKエルフのパワーは大きく向上、安定しました。

コンボデッキである性質上、ドローを進めることは明確なメリットであり、コンボパーツを手に入れることも同時に行うため、プレイできればリーサルが大きく近づく事になります。

注意点としては2ターンの間場に残るため盤面を圧迫する点と、手札が増えるタイミングにラグがあるため、うっかり手札を溢れさせないように気をつける必要があります。

 

・自然の導き

基本にして至高のバウンスカードであり、リノコンにおいて最も役に立つカードです。

同時に1コストのドローソースでもあるため、ハンドが細ければ無理に抱えずとも妖精花に打って一気にハンドを増やしたり、ミニゴブリンメイジに打ってリノセウスを増やしたりと柔軟に使える優秀なカードです。

 

・対空射撃

自然の導きと同じく1コストのバウンスカードであり、優秀なコンボパーツの一つです。

同時に非常にコストパフォーマンスの良い除去手段でもあり、1コスト3点はまさに破格です。

相手の場に打ち先がいないとプレイできないカードであるため、コンボパーツとして使用する際は、潜伏フォロワーがいるデッキやフォロワーをプレイしないデッキが相手のときは要注意です。

 

 

構築の種類

残りの21枚をどう構成するかがOTKエルフの構築の差が出る部分ですが、これには非常に多種多様な考え方があります。

ここでは一般的なOTKエルフの「型」について解説していきます。

 

まず前提として、ここで扱うOTKエルフとは、「2コスト以下のフォロワーをリノセウスのみに絞った形」のコンボデッキとします。

そのため、ベビーエルフ・メイやクリスタリア・リリィ、ニュートラルの1~2コストフォロワーを少数投入した型は今回は除外します。

 

その上で、現在のOTKエルフには、大きく分けて3種類の型があると私は認識しています。

それぞれ構築の例を交えつつ紹介します。

 

☆一般型

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最も一般的な型で、殆どのプレイヤーがOTKエルフと言われて想像するのはこれかと思います。

コントロール系統のエルフデッキの構成を軸に、コンボパーツと除去、遅延手段に重点を置き、相手のライフを一気に削りきれる手札を揃えるまで耐えきることを重視した構築で、とりわけコンボデッキ然とした特徴を持ちます。

カシオペアや森の意思などのAoE、森荒らしへの報いや神殺しの狩人・セルウィンなどの軽量除去をふんだんに取り入れており、相手の展開を抑えながらコンボパーツとターンを稼ぐことを得意とします。

 

・長所

決着が遅いコントロールデッキ全般への有利が絶対的なものになります。

また、除去や回復でターンを稼ぐため、主に高速ビートダウンに対するコンシードプランを比較的立てやすいのも利点の一つです。

除去の柔軟性も従来に比べて上がっており、広い範囲の対面と戦う事ができます。

 

・短所

手札から直接フェイスに打点を出す手段がリノセウス以外に乏しいため、必然的にリノセウスを2枚以上使うコンボを要求されがちです。

従って、キルターンがどうしても7ターン以降になり、高コストの大型守護に邪魔されたり、相手のコンボデッキのコンボ成立が間に合ってしまうケースが増えます。

特に超越ウィッチに対する相性悪化が顕著で、相手がフォロワーをあまり出さない関係上対空射撃も使えない事が多々あり、条件が整わないまま相手のリーサルが間に合う試合が比較的多くなります。

  

☆ビートダウン型

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こちらのリストは有名配信者であるYoshioka/PaRさんがDBN後期から使用し、BoSに入ってからの短期間で何とJCGで2回も優勝を飾ったものと同一のものになります。

現在だとミニゴブリンメイジの枠が森の女王・リザになり、クリスタリア・エリンの枠が翠嵐の斧使いになったりするでしょうか。

構築の思想としてはRoBでミニゴブリンメイジがナーフされる以前のデッキに近く、20点以上のバーストダメージを確保する事よりも、疾走フォロワーを絡めた軽量ビートダウンで相手のライフを削り、10数点のリノコンで仕留める事を主軸に置いた構築です。

7PPまではバウンスをウィスプに打ってリノリノで締める方が打点が出やすい関係で、6〜8PPで勝つプランを立てやすいのが特徴です。

 

・長所

細かい打点が手札から豊富に出るため、少ないコンボパーツでリーサルを狙う事が可能です。

とりわけ超越ウィッチをはじめとした回復手段に乏しいコンボデッキへの適性が高く、相手のコンボ成立前に削り切りやすくなっています。

また炎精の森や対空射撃、疾走フォロワーを受けに回す事で、エリンを立てるまで受けていれば勝てるような高速ビートダウンに対してもある程度対抗しやすいです(少しコツが要りますが)。

 

・短所

コストパフォーマンスの良い除去手段に乏しく、主にミッドレンジ帯のビートダウンに守護を立てられたり、早い段階でファッティを押し付けられるとかなり厳しくなります。

また、回復が多いデッキに対しては細かい削りがあまり意味を成さないため、3コストの打点が機能しづらいです。

 

 

☆鏡双撃型

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こちらはかなり特殊な形で、基本パーツに多くのニュートラルカードが含まれている事を利用して、エルフの双撃やビューティ&ビーストをハイバリューで使用できるように調整した形です。

構成上エンジェルスナイプや熾天使の剣が確定で入り、エルフの双撃も1〜2点は大抵出るため、高速ビートダウンへの序盤の受けが最も強い形になります。

ミッドレンジ系統のビートダウンに対しても、鏡の世界からエルフの双撃を絡めれられればある程度抵抗ができます。

ビューティ&ビーストは、意識の外から出されると処理ができず、そのまま勝ちに繋がるケースがあるパワーカードで、処理されたとしても確実に相手のリソースをある程度消費させられるため、ターンを稼ぐ手段になったりします。

 

・長所

エルフの双撃のパワーが凄まじく、うまく引けていれば生半可なビートダウンは軽く受け切ります。特に潜伏や横並びへの耐性はなかなかです。

ビューティ&ビーストによる安易な勝ち筋が立てられ、柔軟なゲームプランが取りやすいです。

 

・短所

フェアリーを生成するカードや、3コストの強力なエルフフォロワーを採用する枠を取りづらく、序盤に盤面でテンポを取ることができないため、要求打点が大きくなりがちです。

また、純粋に束としてのパワーが低くなるため、手札が細くなると必然的に動きも露骨に弱くなり、手札を増やすカードが引けないとジリ貧気味になる事も多いです。

 

 ・まとめ

これらの構築の種類にはそれぞれ明確な長所と短所があり、自分のプレイスタイルや環境に合った型を選ぶことが大切です。

 

枠の解説

ここでは、確定枠以外のカードで、どのようなカードを採用しうるのかどうかを役割ごとに解説していきます。

 

・除去

コンボデッキであるため、除去の役割を持てるカードは当然重要ですが、選択する際には「除去以外の役割」をしっかり考えることが重要です。

 

・森荒らしの報い

役割:軽量除去、リソース確保

エルフお馴染みの軽量除去であり、手札を減らさずに2点を飛ばせる点が優秀です。

手札に入るフェアリーはコンボパーツとして必要十分なカードであるため、これをついでで手札に加えるカードは必然的に評価が上がります。

 

・妖精のいたずら

役割:除去、バウンス、コンボパーツ

相手フォロワーを2コストで除去しテンポを奪う他、こちらのフォロワーやアミュレットの再利用、自然の導きより1コスト重いもののコンボパーツとしても利用できたりと様々な使い方ができるカードです。

リノコンの際に守護をどかすのにも利用できたりと安易な負け筋を減らすのにも一役買ってくれます。

バリューを出すのに条件が必要な類のカードではありますが、入れておくといざというときに頼りになったりします。

 

・神殺しの狩人・セルウィン

役割:除去、守護、AoE

アクセラレートでいつでも2コスト3点の軽量除去として撃て、守護、中型除去、AoEとしても使える柔軟なカードです。

バリューを出そうとすると手札の消費が著しいため、採用の際はそれを補う手段が必要になる点に注意です。

ユグドラシルの万象の加護は特に相性が良く、0コストのカードと組み合わせる事で7ターン目からAoEを起動できます。

 

・エンジェルスナイプ

役割:軽量除去、打点、コンボパーツ

フェイスにも打てる1コスト1打点であり、盤面を使わないコンボパーツとして優秀なスペルです。

除去として使うには少々心もとないですが、主に高速ビートダウンのウィニーに対して役割を持てます。

 

熾天使の剣

役割:軽量除去、確定除去

対象のコスト参照の軽量除去です。

2コスト以下で選択可能であればどのようなカードでも破壊が可能で、主に糸蜘蛛の悪魔やヴィーラ、死の祝福から出たゾンビなどのカードに触りやすくなります。

最近だとマジックオウルやヴィーラ、黄金都市などが主な撃ち先になるでしょうか。

性質上エンハンスでのコスト差やEP以外のアドバンテージが取れるカードではないので、リソースに注意しながら運用しましょう。

 

・強者の威風

役割:軽量除去、対潜伏

相手の場の攻撃力最小のフォロワーに対して5点を飛ばす、非選択型の軽量除去です。

少々使いづらいテキストですが、2コスト5点はあまりにもコストパフォーマンスが良く、潜伏フォロワーに対しても役割が持てたり、ある程度大型の守護のぽん置きにも対応できたりとパワーがあります。

バロンや沈黙の信者などに低コストで大打撃を与えることができる数少ないカードです。

 

・天禀の射手・メーテラ

役割:大型除去、リソース確保

かなりのコストパフォーマンスを誇る進化時効果を持つ4コストフォロワーです。

OTKエルフは手札の枚数が多くなりやすいため、安定して6点以上のダメージが期待でき、かなり無理が通るカードです。

交戦時1ドローなので小型フォロワーに下から処理されてもアド損になりづらく、非常に潜在パワーか高いです。

問題点としては、EPがなくなるとスタッツの悪さも相まってかなり弱くなる点で、このデッキは他にも進化を切りたいカードが多くある点と、構築上受けにしか使えないカードである点、更に言えばEPは攻めに使うのが強いデッキである点などを総合すると、実はわりと入れづらいカードだったりします。

 

・死の舞踏

役割:確定除去、打点

相手のライフを2点削りながらフォロワーを破壊できる強力な確定除去です。

この2点というのがこのデッキにとっては実に良く、リノセウス2回のコンボの観点から見るとリーサルを1ターン早めることを意味するため、大型フォロワーが厄介な環境では是非採用したいカードです。

 

・森の意思

役割:AoE、対潜伏

手札の枚数分の回数、1ダメージをランダムに飛ばすAoEです。

カシオペアと役割が被りますが、それぞれ利点が異なり、こちらは5ターン目にプレイできる点が明確な利点になります。

主に高速ビートダウンに対してはクリスタリア・エリンに繋ぐ意味でもこちらの方が大きく優れていたりするため、どちらかを選択する場合はよく考えて採用する必要があります。

 

カシオペア

役割:AoE、対潜伏

森の意思と同様の効果をファンファーレ効果で行う6/3/3のフォロワーです。

こちらの利点は3/3が立つので進化を切って打点を伸ばす場合1枚で完結する点と、フォロワーであるため使い回しが可能な点です。

森の意思が5コストである点が特に大きく意味を成さないと判断できる場合は、基本的にこちらを採用することになると思います。

 

・根源への回帰

役割:AoE、確定除去

お互いの盤面のすべてのフォロワーを手札に戻すという派手な効果のスペルです。

どんな盤面でも一旦リセットすることができますが、所詮戻すだけなので次のターン相手は好きなように再展開することができてしまいます。

なので特に有効な場面というと1ターン稼ぐことでリーサルが見えるケースや、ドロシーウィッチの大量展開や死の祝福や魔将軍・ヘクターなどのネクロマンスを無駄にすることでリソースを削れるケースに限定されます。

7というコストもなかなか重く、撃てる頃には手遅れになっている事が多いですが、相手のケアの範囲外から刺せれば大きな一手になるでしょう。

 

・エルフの双撃

役割:除去、対潜伏

手札のニュートラルカードの枚数ぶんのダメージをランダム2体に同時に飛ばす軽量除去です。鏡の世界とセットで採用します。

鏡の世界で手札のニュートラルカードの枚数を増やしておけば、爆発的なバリューを出せるご都合インチキカードです。

構築さえ調整しておけば、鏡の世界を使わずとも高い確率で1〜3点は出るので、序盤の横並びや中盤の無理臭い展開に対しても対抗が可能です。

 

・リソース確保

コンボパーツの確保や、手札の枚数維持などのため、手札を増やすカードは重要性が高く、複数枚採用する必要があります。

ドローソースとしてなのか、副次的な効果を期待してなのかはよく考えて採用しましょう。

 

・エルフプリンセスメイジ

役割:リソース確保

進化時に0コストフェアリーを2枚手札に加える中型フォロワーです。

妖精花の登場であまり姿を見せなくなりましたが、リソース確保の手段としては上等なカードです。

手札を増やすのもそうですが、EP1でコンボの打点を大幅に上げることができるので、20点バーストを目指す際は頼りになるカードです。

 

・フェアリーサークル

役割:リソース確保、コンボパーツ

フェアリー2枚を手札に加える1コストスペルで、序盤の動きを保証するとともに1枚で3プレイになるコンボパーツです。

20点以上のバーストを出すには、盤面を使わないカードのプレイが少なくとも1回必要なため、20点が必要になりそうな試合では迂闊に開かないようにしたほうが良いです。

 

・炎精の森

役割:リソース確保、除去

1コストでフェアリー2体を手に入れる点はフェアリーサークルと同様ですが、出したターンでは完結せず、コンボパーツとしての役割は果たせません。

代わりに、場から離れる時に1点飛ぶため、相手の展開を抑えやすい点が利点です。

特に対空射撃とは相性が良く、ウィニーの横並びを進化ターン前に処理し、ライフの損失を大きく抑える事ができます。

注意点として、ターン終了時に手札が増えるため、プレイする際は数ターン先までしっかり見据えて、手札が溢れないように気をつける必要があります。

また、盤面を埋めるのでリーサルが見える終盤では迂闊に出さない方が得策です。

 

・新緑の加護

役割:ドローソース、バフ

3ターンの間、こちらの盤面のフォロワーをランダムに1体+1/+0し、場から離れるときに1ドローする1コストのアミュレットです。

単に1コストのドローソースという点でもそれなりに優秀ですが、とりあえず置いたフェアリーがやエルフの女王・リザの攻撃力が2になるのは意外と強く、対空射撃や自然の導きで戻す事で大きなアドバンテージを取れます

置いてからドローするまでに大きなラグがある点と、終盤置いてしまうと盤面に残り続けるのが邪魔である点などデッキコンセプトといまいち噛み合わない点はありますが、独特の強さを持つカードです。

 

・眠れる妖精の森

役割:リソース確保、ロック

炎精の森と同じくターン終了時にフェアリーを手札に加える効果の他に、2プレイしてから出すことで相手のクロックを抑える効果を選択して配置できます。

妖精の大あくびはターン終了時にランダムな対象を攻撃不可に、妖精の目覚めはリーダーに攻撃したフォロワーへ1点与える効果を持ちます。

最序盤に置く札としては炎精の森の下位互換ですが、中盤の嫌がらせとしては強力に作用する場面も少なくありません。

うまく刺されば相手にクロックダメージを大幅に抑えることが可能です。

 

・鏡の世界

役割:ドローソース、シナジー

2コストのドロースペルであり、エルフの双撃とビューティ&ビーストのバリューを大幅に引き上げることができるシナジー用のカードです。

ただそれだけのカードではありますが、何の条件もなく2コストでプレイできるスペルなので、PPが多くある時に盤面を使わずにプレイ回数を稼ぐ手段としても利用できます。

 

 

・茨の森

役割:リソース確保、除去

フェアリーを2枚手札に加えながら、盤面を超強化できる、BoSまでのローテーションではお馴染みだったアミュレットです。

非常に強力なカードですが、効果を発揮できるのが早くとも3ターン目以降なので相手の序盤の展開を抑えるには少々遅い点と、盤面に残るのでリノコンを阻害する場合があるなど欠点も目立ちます。

アグロエルフよろしく相手の体力1の小型フォロワーを無力化して盤面から打点を出したり、死の祝福や騎士王・アーサーの前のターンにフェアリーを並べておいて横並びの処理を容易にしたりといった使い方ができるとテクいです。

 

・神秘の指輪

役割:ドローソース、シナジー 、コンボパーツ

手札のカードを1枚選択してデッキに戻し、1枚ドローする1コストスペルです。

厳密にはリソース確保用のカードではなく、これを撃つと手札が減ります。

エルフの女王・リザの実装により手札が溢れやすくなった関係で、詰まった手札を解消するために採用されるようになったカードです。

ニュートラルカードである事と、現在の鏡双撃型は特に手札が溢れやすくなっている事から、そういった構築で採用の価値が高まりました。

カードパワーとしては非常に弱い部類に入り、エルフの双撃の打点を上げる点と、1コストのスペルである点、不要牌を手札から排除できる点をどれだけメリットと見れるかどうかが採用の分かれ目になります。

 

・3コストフォロワー

OTKエルフは、確定枠だけだと3ターン目の能動的な動きがエルフの女王・リザしかなく、マナカーブの補強のために3コストのカードを何枚か採用する必要があります。

エルフには優秀な3コストフォロワーが多いですが、全てを採用するわけには当然いきませんので、デッキのコンセプトに合わせて合理的な選択をすべきです。

 

・エンシェントエルフ

役割:バウンス、守護

STDを代表するパワーカードで、序盤中盤終盤全てに強力な動きがあり、攻守共に非常に頼りになるカードです。

とりわけフェアリーウィスプとの相性は抜群で、コンボパーツを消費する事なくプレイ回数とスタッツを稼げます。

他のフォロワーを採用する積極的な理由が無い場合は、基本的にこれを採用するのが丸いと言えるでしょう。

 

・御言葉の天使

役割:除去、火力、シナジー

エンジェルスナイプ内蔵の3/2/2であり、コストパフォーマンスは標準的なフォロワーですが、エンジェルスナイプはできるだけコンボパーツとして利用したく、フォロワーの配置と軽量除去を1枚で行うカードとして汎用性が高いです。

同時に1打点でもあり、このカードによるフェイスへの1点で勝負を決める場面も少なくありません。

盤面に対しても1点火力というのはフェアリーと相性が良く、ニュートラシナジーも期待できる点など、腐る場面が少ないため採用の価値があるカードです。

 

・純心の歌い手

役割:ドローソース、シナジー

3コスト2ドローに1/2がついてくるみんな大好きなドローソースです。ワンドロー!

コンボデッキである以上ドローカードはやはり重要で、デッキを掘る事を重く見た場合は真っ先に入れたいカードでしょう。ニュートラシナジーも見込めます。

ただし、当然手札が溢れるリスクもはらみますし、3/1/2というスタッツが心許ない場面も多くあります。

序盤の展開を重視する場合は考えなしに採用できないカードでしょう。

 

・ミニゴブリンメイジ

役割:サーチ、シナジー

2コスト以下のフォロワーをランダムに一枚手札に加える3/2/2のニュートラルフォロワーです。エルフの女王・リザの実装前は確定枠として採用されていました。

リノセウスを引く確率を更に上げたい場合や、ニュートラルカードを採用したい場合に採用を検討します。

 

・大魔法の妖精・リラ

役割:確定除去、クロック

盤面に置いておける確定除去であり、相手からすると触り辛いため地味なクロックダメージを稼ぐ要員にもなるフォロワーです。

EPを確定除去に変換できる点も優秀ですが、その真価を発揮するのはやはり盤面に居座り続ける時です

対空射撃やエンシェントエルフとの相性も良く、着地さえできれば相手の展開を確実に抑えてくれます。

ただし、受けのアクションとして使うには少々動きが硬く、強い場面と弱い場面が両極端という事で、よく考えて採用すべきカードです。

 

・セルウィンの号令

役割:打点、コンボパーツ、除去

安易な2打点でありながらエンハンスの効果では時間稼ぎや除去も行える有能なカードです。

前述のとおり、相手のライフを2削るのはリーサルを1ターン早めることとほぼ同義であり、そのための安易な打点としてだけでも採用の価値があります。

エンハンスの効果で使えるセルウィンも、相手の大型フォロワーの動きを止めて時間を稼いだり、厄介なシステムフォロワーを一旦どかしたりながら中型を立てれるので、意外と使い道があります。

また、手札次第では、0コストのカードを1枚加えるというのは手札の打点を3増やす事に繋がるため、隙があれば0コストのセルウィンをパーツとして手札に保持するのが勝ちに繋がる場面も少なくありません。

軽量除去としてはコストパフォーマンスが悪いですが、中盤以降の2アクションの保持にも一役買ったりと、なかなか使い勝手のいいカードです。

個人的には枠さえあれば積極的に採用したいカードの一つで、評価が高いです。

 

・ビートルウォーリア

役割:打点

3/2/3として出すこともできますが、基本は3打点、あるいはEPを打点に変えつつ5/6を立てるというアクションのために使用するカードです。

こいつの5点が通るということは相手のライフは多くとも15点になっているということで、フェアリーウィスプが絡むとかなり早い段階でリーサルを狙える状態を作れます。

相手はカウンターでリーサルを取れないのであれば盤面の5/6を無視できないため、地味に厄介な処理を押し付けることもでき、かなり強力なカードです。

処理に回す際も、4ターン目にフェアリーウィスプで疾走を起動して2面処理したりと、意外と柔軟に動くことができる優秀なカードです。

難点は手札を吐くカードである関係で手札に被ると苦しい点ですが、ビートダウン戦略を大きく支えているカードのひとつです。

 

・大型フォロワー

高コストのエルフフォロワーは、エルフの女王・リザのラストワードでサーチすることができるため、従来と比較して枚数を減らしても引きやすくなりました。

デッキのコンセプトとマッチしたカードを選択していきましょう。

 

・クリスタリア・エリン

役割:守護、回復、除去

時間稼ぎという観点で見ても最強クラスの受けカードです。

体力6の守護を立てながらライフを3回復するということは、フォロワー以外の打点を持たないビートダウンから見るとライフを9回復されたことと同義であり、これ一枚で勝負が決まる事もある恐ろしいカードです。

エンハンス8でEPを回復し実質8/6/8守護突進になりますが、自身に進化を切らずに次のターンのリノコンの打点を上げてリーサルを早めたりする使い方もあります。

 

ユグドラシル

役割:回復、除去、リソース確保

6/2/6ドレインを出しながら、0コストで突進付与+1/+0か2ドローを選択できますが、OTKエルフにおいて専らチョイスするのは万象の加護の方になります。

万象の加護は2コスト払うことで自身も合わせて「3プレイしたことになる」というスペルで、リノコンでのプレイ回数稼ぎはもちろん、ビートルウォーリアーや神殺しの狩人・セルウィン、クリスタリアプリンセス・ティアなどの追加効果を、「手札を減らさずに」起動することができる超有能カードです。

ユグドラシル本体のドレイン効果も、進化殴りで4点回復になるため、条件が整えばかなりの時間を稼ぐことが可能です。

 

・翠嵐の斧使い

役割:除去、打点

6/6/5突進とともに、3プレイ以上したターンの終わりに相手リーダーに2点ダメージを与えるリーダー効果を付与します。ALT初期にバフされ、コストが7から6になりました。

それ以降のリノコンの要求打点が2下がる他、除去に回りながら少しずつ削る事もできるようになるため、プレイさえできれば勝利がぐっと近づきます。

ちなみにこのリーダー付与効果は重複するため、複数回出す事で更に要求打点を下げられます。

 

・ビューティ&ビースト

役割:ファッティ

鏡双撃型でのみ採用が考えられるパワーカードです。

条件を満たしてプレイできれば消滅と変身、突進以外の除去手段を一切受け付けないファッティとなり、それらが無い相手には処理に多くのリソースを使わせることができます。

処理ができなければ最大9点ものダメージがフェイスに飛ぶことになり、あっという間にリノセウスの餌食にできることでしょう。

ニュートラルカードが3枚以上でなくても手札の枚数の条件が満たせていれば、6コストのフォロワーとしてはかなり巨大なので純粋なファッティの押し付けとしても使えることがあります。

直接勝ち筋にできることは多くありませんが、時間稼ぎとしては上々なので、鏡双撃型であれば積極的に採用したいカードです。

 

ヘクトル

役割:守護、除去、打点

同じく鏡双撃型での採用が考えられる、ニュートラル軸の構築ではお馴染みの便利カードです。

OTKエルフとしての明確な利点はやはりフェイスに直接3打点を飛ばせる点で、先にリノセウスを投げてから残りの3点を守護の後ろから削り切ると言った使い方をできるのが強力です。

 

・クリスタリアプリンセス・ティア

役割:守護、盤面制圧

2プレイの条件を満たすと突然5コストで1/1と6/6突進守護が並ぶ懐かしのパワーカードです。

ティア本体を無視しづらい点を考慮すると、相手のフォロワーを処理しながらそれなりの盤面を作り出せるカードとしてなかなかのパワーを誇ります。

アグロロイヤルやミラーなど、守護が辛い相手に刺さることがあるカードです。

 

・マヘス

役割:守護、AoE、打点

主にミッドレンジ系統相手の横並びに対するカウンターとしての採用が考えられるカードです。

フェイスにも打点が飛ぶのが利点ですが、神殺しの狩人・セルウィンが高い汎用性とともに同じ役割を果たしているため、あえて採用する理由が薄れてしまったカードです。

 

コンボパーツについて

手札にあるコンボパーツとして使えるカードを他の用途で切る場合に、どのカードを残すべきかというのはOTKエルフにおいて非常に重要です。

ここではコンボパーツとして利用できるカードを、「コンボパーツとしての価値」という観点で一つずつ解説して行こうと思います。

評価が高いほどコンボパーツとしての価値が高い(採用価値が高いカードであるというわけではありません)、としますが、この評価は筆者個人の主観でもあり、更には状況によって全く異なるものでもあるので、最終的には自身で判断できるようになってください

 

◎0コストカード

様々なカードの効果で手に入る0コストカードは、リノコンにおいてはPPを増やしている事と同義であり、1枚につきリノコンでプレイするリノセウスの回数ぶんの打点が上がると考えられます。

そのため、基本的には重要なコンボパーツとして手札に保持するべきカードです。

 

・フェアリーウィスプ

評価:SSS

リノコンの打点を伸ばす手段である「プレイ回数を増やす」という観点において最も優れたコンボパーツです。ただの0/1/1として置くのは可能な限り避けなければならないでしょう。

2プレイ以上で場に出すと消滅する効果のおかげで、盤面を埋めずにプレイ回数を増やすことができる他、これをプレイしてバウンスを打つことで0コストのまま手札に戻り、もう一度プレイする事ができるので、1ターンに2回までの制限付きでリノセウスに使用しないバウンス1枚が2プレイに化ける事になります。

ですが、プレイ回数で起動する類の能力を使うときにも有効なカードであることは間違いなく、そのプレイで大幅なアドバンテージが取れるという確証があれば切ってもいいでしょう。

切る際は、リノセウスを出せる回数×余分なバウンスカードの枚数ぶんの打点が下がると覚えておきましょう。この辺りはリノ算の項でも詳しく触れます。

 

・ミニゴブリンメイジ(0コスト)

評価:SS

歴戦の傭兵・フィーナの進化時効果でのみ手に入る、0コストのフォロワーでありながらリノセウス1枚としてカウントできる優秀なコンボパーツです。

相手の展開に備えて0/2/2として出す事で負け筋を減らせる場合は出しても良いでしょう。

また、これ以外にリノセウスが無い場合にバウンスを打って2枚目のリノセウスにするというプレイングも場合によっては考えられます。

いずれにせよ、やはりコンボの打点を大きく下げる可能性がある点には十分注意して切りましょう。

 

・フェアリー(0コスト)

評価:S

コンボパーツとしての性能はフェアリーウィスプの下位互換ですが、「3プレイ以上であっても盤面に残るためバウンスの打ち先になれる」というただ一点のみ利点があるので覚えておきましょう。

0コストのカードというのはそれだけでコンボの打点を出せるリノセウスの回数ぶん引き上げる存在である他、0フェアリー自体プレイ回数を稼ぐ以外の役割は殆ど果たせないため、切るとすればウィスプと同様プレイ回数でアドバンテージを得られる場合になるでしょう。

 

・グランドアーチャー・セルウィン(0コスト)

評価:S+

セルウィンの号令のエンハンス効果で手に入るカードですが、ほとんどの場合はその場で出して盤面に影響を与える手段になります。

ですが、8ターン以降で相手が隙を見せた際、これをコンボパーツとして手札に保持することでリーサルが近づくケースがあります。

何度も解説しているとおり0コストのフォロワーを手札に加えるということは、リノコンの打点を2〜3引き上げることと同義であり、こいつの場合はそのファンファーレ効果で攻撃力3以下の守護フォロワーをどかす事ができてしまいます。

これにより、死の祝福やガーディアンゴーレムなどの小型守護を0コストで一枚無力化できるのが大きな利点となります。

 

◎バウンス

エルフの象徴であるセルフバウンスカードは、リノコンにおいてはリノセウスに打ってプレイできる回数を一回増やす役割と、盤面を空けてプレイ回数を増やす役割の2つを担います。

シャドウバースのカードはセルフバウンスはデメリット効果であるという基準でデザインされているため、ファンファーレ効果の使い回しを前提に考えると全体的にパワーの高いカードが揃っており、リノコン以外にも強力な動きの軸になります。

 

・自然の導き

評価:SS

バウンスの中では最もコンボパーツとしての価値が高いカードです。

使用に条件が無いため確実に打てる点や、ドロー効果があるため「もう後がないが○○を引けばリーサル」といったシーンでコンボ中のドローにワンチャン賭けれる点などの利点が大きいです。

コンボ以外での利用は、1コストのドローソースという事でこれも優秀で、バウンスの効果でテンポを取りながらドローを進めるのも当然強力なので、手札が弱い場合は下手に抱えず積極的に打っていく判断も求められます。

この辺りはプレイングの項でも解説しますが、数をこなして感覚を養うしかありません。

 

・対空射撃

評価:S

1コスト3点という破格のコストパフォーマンスを誇る軽量除去ですが、相手の盤面に打ち先がいればこれも立派なコンボパーツのひとつになります。

特に有用なのはリノセウスが走る前段階のプレイ回数稼ぎのついでに相手の守護を処理できる場合で、他の除去と組み合わせることで中型以上の守護も抜く事ができます。

バウンスがこれしかない場合は、あえて相手のフォロワーを場に残しておくといったプレイングが必要になる事もあり、けっこう扱いに実力が出るカードです。

強力な除去カードでもあるので、無理をしてまで抱えるよりはしっかりアドバンテージを取るために切っていきたいですが、リーサルが見え始めている場面では特に慎重に考えて使用しましょう。

 

 ・妖精のいたずら

評価:A

2コストであるため他1コストのバウンスと比較すると打点がリノセウスの回数ぶん下がりますが、条件なしで打てるため有用です。

プレイ回数稼ぎで使えば相手のフォロワーが1体であればどんなに巨大な守護であってもどかせるため、除去とバウンスどちらでも有用なカードです。

特に対ドラゴンでは竜鎧やゼウスなど、単体で巨大な守護が立つ事が多いので、意識して保持するべきです。

 

・妖精の奔流

評価:A+

1コストのバウンススペルですが、エンハンス5の効果がくっついており、PPが4以下でないと1コストで撃つことができません

つまり、3~4PPの状態で奔流→リノセウスとプレイするときのみ使用できるという条件になりますが、これによって下がるコンボの打点は意外と小さかったりします。

具体的には例えば7PP時のリノ→バウンス→リノ→リノが、リノ→リノ→奔流→リノとしなくてはならなくなる等ですが、このケースだと下がる打点は1で済みます。

ただ他にも、フェアリーウィスプに撃ってプレイ回数を稼ぐという使い方もできませんし、そもそもバウンスして得られる効果が1回復とショボかったりするので、どうしてもバウンスカードを大量に投入したい、という方向けのカードかと思います。

 

・エンシェントエルフ

評価:C

3コストである上にフォロワーであるために盤面を要するため、コンボパーツとしてはあまり有用ではないと言えます。

利点としては、全体バウンスなので盤面を一度に空けられ、回収したカードを使い回せる点で、高PPにおけるプレイ回数稼ぎの手段としてはそれなりに優秀です。

基本的には普通に使って強力なフォロワーなので、コンボパーツとして使うのは稀でしょう。

 

◎軽量スペル

バウンスでなくても低コストのスペルは盤面を使わずにプレイ回数を稼ぐことができるため、コンボパーツとしても有用です。

特に、フェアリーを手札に加える効果を持つものはその分のプレイ回数を保証できるので重要性が高いと言えます。

 

・万象の加護

評価:S+

ユグドラシルのチョイス効果で手札に加えられる、2コストで3プレイしたことになりながら2ドローするという恐ろしいカードです。

コスト的な概念から言うと0コストカード1枚ぶんですが、1枚で3プレイしながら盤面を一つも埋めないというのはとんでもないことです。

特に8PP以降のリノセウスを3枚使ったコンボにおいて真果を発揮するでしょう。

 

・フェアリーサークル

評価:A+

1枚で3PP3プレイを保証する優秀なコンボパーツです。

リソース確保としての役割を考えても、テンポ的に3/2/2とあまりコストパフォーマンスが良くない関係で、他の動きを優先してコンボパーツとして保持しやすい性質も持ちます。

とはいえ先行1ターン目などに打つのは言うまでもなく強力ですし、フェアリーを並べる事が必要な場面では頼りになるリソースカードなので、下手に抱えて押し潰されるような事がないようにしましょう

逆に、フェアリーを並べる事があまり重要でないマッチ(ライフゲインを多く持つデッキ等)に対しては、考えなしに開かないようにするべきです。

 

・エンジェルスナイプ

評価:S

1コストのスペルとしてプレイ回数を稼ぎながら打点を1ブーストする強力なコンボパーツです。

リノコンというのは基本的に1PP毎に2~3打点ずつ上がっていくものなので、プレイ回数だけで見ると1足りない場面ではこの1打点が勝負の分かれ目になることもあり、見た目以上に優秀なカードです。

相手のウィニーの展開を抑えたり、体力1で残ったフォロワーに有利トレードを取るために盤面に打ち込むケースも少なくありませんが、このカード自体を強い動きとして使うのはやはり無理があります。

1ターン目に相手の顔に撃つと威嚇できます。

 

・森荒らしの報い

評価:B-

2コストのスペルであるためコンボパーツとしては打点が下がる難点がありますが、1枚で3PP2プレイを保証する点、盤面に2点を飛ばす点が評価できます。

主に高PP時に、リノセウスとバウンスは揃っているがプレイ回数が足りずに打点が伸びないといった場合や、体力の低い守護の突破に役に立つ場面が多いです。

基本的には軽量除去としての役割が強いため、コンボパーツとして保持する価値は低いでしょう。

 

・強者の威風

評価:B

同じく2コストのスペルであり、フェアリーを加えるわけでもないですが、中型~大型の守護単体で蓋をされているときに、除去しながらプレイ回数を稼ぐ事ができます。

また、森荒らしの報いと違って撃つ対象が居なくても使用できる点も細かな利点ではあります。

 

まとめ

本当は採用枚数の決め方などについても詳しく触れようかと思ったのですが、文字数がとんでもないことになりはじめたので一旦ここで区切ろうと思います。

次回はOTKエルフを使うにあたって避けては通れない「リノ算」について、徹底的に解説しようと思います。(コンボパーツの話とかそっちですればよかったのでは)

最後に、こんな無駄に長い記事を最後まで読んでくださった方、本当にありがとうございました!

*1:TCG用語としての1ターンキルは「1ターン目に勝利する」事を指しますが、シャドウバースではこの呼び方が定着しているのでOTKエルフという呼称が最も通じやすいです。